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錬金術師

alchemist_in_IAMAS

「錬金術師」は音大生時代に書いた、池袋の錬金術師(テープの為の作品)のパワーアップ版で、ライブの作品です。

この曲は打楽器(1人、9枚のシンバル)と歌とコンピュータの為に書かれた曲です。打楽器は、楽譜に書かれた8つのフレーズをある規則に基づいて叩きます。

8つのフレーズは、A・B・Cの三種類(合計24フレーズ)です。A・B・Cは時間によって切り替わります。コンピュータは打楽器の叩いたフレーズをリアルタイムサンプリングし、合計3つスピーカがある内、2つのスピーカからはディレイ効果として、1つのスピーカからは演奏者に課せられた規則と同じ規則で、スピーカから打楽器の フレーズが返されます。要するに演奏者とコンピュタがお互いの叩いているフレーズを聞きあいながら、曲は進んでいくのです。(コンピュータが聞くというのはおかしな話ですが・・)

二つのスピーカから出るディレイの音が重なって重なって重なって・・・感極まったときに、歌い手が歌いだし、双方の音がFFT(高速フーリエ変換)によって、処理され、もはや騒音となった打楽器の音の中から、歌が立ちのぼってくるのです。


この曲には、物語的なストーリーがあり、それは簡単に説明すると、絶滅した人類の生き残りが近代テクノロジーによって、人間“らしきもの”を呼び戻すという筋書きです。 僕はこの音楽に終末感と希望を共存させて表現したと思っている。終末感というのは現実であり、それに対する怒りと希望で進歩していこうという決意表明が表現されている。これは、僕個人の考えだけではなく、広く現在生きている人々にも意識されているであろうテーマであると考えます。


デモ音源alchemist_demo.mp3 1'30" 1.7MB


演奏:鈴木悦久、竹内明香